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メダルの重さ(肥満) [走る]

最初の転機はピアスでした。

私が友達からプレゼントを頂いたので、お返しにピアスを買いに行き、
ココ母もなんか買えばという事でイヤリングを購入しました。

ところが、ピアスに比べイヤリングの数があまりにも少なく、
おしゃれを楽しむのだったら、ピアスの穴を開けるしかないねと言いましたら、
しばらく彼女は悩みましたが、お医者さんに行って穴を開けてきました。

穴を開ける前に冗談で、穴を開けたら、1ヶ月に1個ピアスをプレゼントするよと、
私は約束していたので、毎月買いに行く羽目になりましたが、それが良かったんです。

元々、宝飾品には興味がないと言って、一切身につけなかった彼女ですが、
品々を見たり、身につけたり、お店の人と話したりする中で、ゆっくりですがココ母に表情が出てくる様になりました。

実はそのお店で知り合ったのがsgrです。自然な流れの中でsgrと私達はプライベートでも付き合うようになり、
お互いにいろんな話をして友達になっていきました。そして後に後輩のtnkも他のスタッフ共、
楽しいお付き合いをさせてもらう様になりました。

人と付き合うと、疲れてダメージが大きいココ母でしたが、私はあえて積極的に人と触れ合う様にしました。
逆効果になるかも知れないと危惧はありましたが、今回は今までと違い、ひょっとしたらというのがあり、
彼女は翻弄されていましたが、私は強引に人と会い続けました。

そんな中、第二の転機が訪れました。

今回、私達が走る湘南国際マラソンにわん友が出るというので、応援しに行った時の事です。
規模が大きい大会でビックリしましたが、様々な人が走りゴールをしているのを見て、
いろんな感情が湧いてきました。

車イスの人、視覚障がい者の人、臓器移植の人、いろんな人達が一生懸命走り、ゴールするのを見て、
自然に涙がこぼれてきました。
そしてわん友がゴールし、完走メダルを首から下げているのを見た時、
とっても輝いて見えました。それは彼だけではなく、走り終えた人々全ての人達が、私達から見てキラキラ見えたんです。

わん友自身、不本意な走りと言っていましたし、走り終えた人達も様々な感情があったと思いますが、
7年間輝きを失い、光を失っていた私達にはとっては、まぶしい光の洪水でした。
そして、私達が思った事は、あちら側の人間になって完走メダルを手にしたいという感情です。

ココ母自身、長い間うつ病で疲弊していたのは事実ですが、顔を上げ前を向くという事が出来ない日々でした。
でも、良くなりたい、普通の生活に戻りたいという気持ちはありましたが、行動をするという事が出来ず、
一生、こんな生活が続くのかなといった状態でしたので、私はココ母の心に浮かんだ。
完走メダルを手にしたいという気持ちに懸けようと思いました。

願望だけでは結果は伴わないので、湘南国際マラソンの3か月後のレースに私は出場し、走り切りました。
そんな私の姿を見て、ココ母は自分自身もエントリーし練習を始めました。

しかし、現実は簡単ではありませんでした。
ココ母は運動とは縁がない生活でしたし、体力がまったくなかったんです。
そして、彼女自身耐えられなかったのが「肥満」でした。
うつにより動けなくなり、じっとしている生活が続く日々と、太りやすい年齢や体質とが重なり、
彼女は適正体重を軽く超えていました。

今年の秋から練習を始めたのですが、彼女はジムの鏡に写る自分の姿に嫌悪し、他の人達と比較してジムに行きたくないと言い始め、
それはそれは激しい感情でした。彼女は自分の姿が醜いとのろい、泣き、収拾がつかない状況になっていき、
私はなだめながらも、レースに出るのはもう無理かなと思いました。

・・・続く

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