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音と記憶 [家族]

今日、母が退院しました。両目の白内障の手術&入院だったので期間も5泊6日、
そんなに心配する事では無かったのですが、高齢な上、体重が31㎏しかないので少し心配していました。
もう一つの心配は、祖母が入院し、手術の前日に植物状態になった事が、入院&手術が怖い事として、
母の心に焼き付いているからです。
大事には至りませんでしたが、案の定、最初に右眼の手術をして部屋に戻ってからしばらくして、
いきなり原因不明の高熱を出し、今、自分がどこにいるのか分からなくなり、
若干、錯乱状態になりましたが、適切な処置により、大事には至らずに残りの左眼も手術し、
今日の退院を迎える事が出来ました。
そんな訳で、毎日、毎日、昨日も一日、無事に過ぎて良かったと思う5泊6日の日々でした。

今回、母が入院した病院は地元の大学病院で、9年前、父が入院し亡くなった場所でもあります。
父が亡くなった時、本当なら落ち着いてから、先生や看護士の方達に挨拶に行くべきところ、
亡くなってから5ヶ月も経ってから、挨拶に行きました。
どうして、そんなに時間が掛かったのかと言いますと、私とココ母でずっと看病していましたので、
病棟に行くと、父が亡くなっていく過程を思い出して、心が辛くなりすぎて、
どうしても病棟に行く事が出来なかったんです。
そんな、不義理な夫婦を先生や看護士の方達は、とても、温かく迎えてくれ、
よく頑張りましたねとねぎらいの言葉を掛けて下さいました。
そして、病院に来る事があったら、いつでも病棟に顔を見せに来て下さいと、仰ってくれました。

そういう、いきさつがあるので、正直、今回階は違っても病棟に行くのが、気が重たかったのです。
9年も経っているし、科も違うので大丈夫かなと思っていました。
実際に母の入院の為に病棟に入ると、9年前に感じた胸が締め付けられるような感覚は無く、
時間が解決してくれたんだなと、少し、安堵したのですが、
時間が経つにつれ、9年前の事が蘇ってきました。
なんで、そうなったのかと言いますと、『』なんです。
例えば駐車場のゲートの音、ナースコールの音、心電図の音、とかが前と全く同じで、
父の時の事がフラッシュバックして来て、これはきついかなと思ったんですが、
なんとか、今日の退院まで耐える事が出来ました。

今日はどうしても仕事で行けなかったので、ココ母に任せて仕事に行きました。
東名に乗って3号線上りを走っていながら、ぼんやりと病院の事を考えていたら、
何の前触れもなく涙が溢れてきました。
安堵の涙なのか、辛い思い出の涙なのか分かりませんが、運転がやばい位でした。

自分では、父の事で気持ちが辛くなる事はないと思っていたのですが、音が記憶の扉を開け、
いろんな思いが溢れてくるのを制御できなくなるなんて、思っても見ませんでした。
しかし、父の時に24時間体制で看病してくれたココ母の気持ちを考えると、同じ位辛いのだろうなと思い、
自分がフォローしなくてはと、痛切に感じました。
私が仕事から帰ってきて、ココ母が言った事が、お父さんは、退院のお迎えに行かなくて良かったよ。
精算が終わり、ナースステーションにお世話になった挨拶に行ったら、突然、涙が溢れてきた・・・と。

お互いに、無理をして気持ちを封じ込めていた訳ではありません。
日々、生活をしていく中で風化していった訳ではないと思いますが、
自然に心の引き出しにしまい込んで、鍵を開けなかったのだと思います。
心の鍵も時には、自動ドアの様に無意識のうちにセンサーが感知し、
扉を開けてしまう事があるんですね・・・

母の入院中、出たり入ったりの毎日の中、2日間雨が続き、もあとさらはお散歩にも行けず、
ストレスもあったと思います。
でも、おりこうにお留守番をしてくれました。
もあ、さら、これから桜も咲き誇る素敵な季節、ゆっくりお散歩して、
みんな元気に迎える事が出来た春に感謝して、お散歩を楽しもうね!
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コメント 6

mimipapa

手術無事終了してよかったですね。
私の父親も白内障の手術しましたが、片目を2泊3日、6ヶ月くらい経ってから残る片目を手術しました。
本人曰く、眼鏡が曇っていたのが、急に曇りがとれて良く見えだしたということでした。
お母様もきっと喜んでくれていると思います。

私も病院へ行くと、いろいろな事が脳裏をよぎってきます。
自身2回入院しているし(大した病気でないですけれど・・・)
mimimamaも何度か入院しているので、ココ父さん、ココ母さんのお気持ちは痛いほどわかります。
こんな時でも、ワンのことを心配して(だって世話してあげないと何もできないですものね。)mimimamaに呆れられています。
落ち着いたら、もあちゃん、さらちゃんといっぱいお散歩してあげてくださいね。
by mimipapa (2010-03-29 21:02) 

sgr

今晩は、お母様、無事に退院されてよかったです。
白内障された方、私の知り合いにもおりますが、本当に手術してよかった!世界が新しく感じるとおしゃっておりました。

もあちゃん、さらちゃんもきっと見守っていてくれたのでしょうね。そんな中お利口にお留守番なんて・・・・

音との存在はすごいですよね。陽気な私もさすがふと耳にする音で、ナーバスになる時があります。(私には似合いませんが笑)

今回のブログをで私も一つ自分にわざと閉ざしている事を時間とともにポジティブに変えなければと築かされることに気がつきました。

なんか喉まで来ているのに上手くコメントができないです。

今度また、ゆっくりお話の場でよかったら聞いて下さい・・・・

話は変わりますが、GチョコショップのMジャーさんが、ココ父様と母様の中の良さとお人柄にお会いできなくなるのがさみしくなるとおしゃっておりました。  癒されておられたご様子でした。(U U) 何時も暖かい感じのする御夫婦だとおしゃってました。(U U)  





by sgr (2010-03-30 00:22) 

ココ母

mimipapa、母の事でご心配頂き、ありがとうございました。
年齢とか考えて、少しナーバスになっていました。
おかげ様で、術前に比べるとよく見えるようになったと、本人は喜んでいます。

私はmimipapaと同じ病気でも、入院するほどでもなかったのですが、
安静にしていないといけない入院は、察するに大変だったと思います。
mimimamaの時はご本人の大変さはもちろんですが、
今も支えてらっしゃるmimipapaも大変だと思います。

年齢を重ねてきて思うのですが、
結婚式の時に神父さんが『病めるときも、健やかなるときも』の言葉が、
意味を痛感すると共に、とても実感するようになりました。
もちろん、夫婦に限らず、家族、友達、そしてわんこ。
全てに共通して言える事だと思います。
私はまだ、未熟者なので、相手に感謝されるほどの事が出来ません。したがって修行中の身です(笑)
病気の時こそ、相手の立場にたち、自分の身に置き換えて、行動しなくてはいけないんでしょうね。

母の入院中、ずっといい子でお留守番をしてくれた。もあとさら。
寂しくて、切なかったんだろうなと思え、
今はいっぱいお散歩して、遊んで、甘えさせています。
嬉しそうな2人を見ていると、私達夫婦も楽な気持ちになりますね!

byココ父
by ココ母 (2010-03-30 13:51) 

ココ母

sgrさん、母の事でご心配頂き、ありがとうございました。
おかげ様で、まだ、視力が安定するまで眼鏡は作れませんが、
裸眼でも生活できる事が、母にとって、とても嬉しい事みたいです。

わんこに限った事ではないでしょうけど、家族の異変に対し彼ら、彼女らはとても敏感です。
私達がバタバタしているのに、とても大人しくしていてくれました。
現在は元に戻り、ワンワンしていますけど(笑)

人って陽気な部分とナーバスな部分を持ち合わせているじゃないですか、
どちらかが突出しすぎたり、へこみすぎてもバランスが悪くなるし、
人生50年生きていますけど、難しいですね人生は。

私達夫婦は人と話をするのが好きです。
もちろん、実際にお会いしてもそうですし、ブログで会話をするのも大好きです。
なぜかと言いますと、言葉って相手を傷つける事もありますが、
反面、人を救う事も救われる事もできると思っています。
当然、モラルを問われるし、配慮もしなくてはいけませんが、
その事を考えても、会話の大事さを感じます。
私達みたいな夫婦でも、何かお役にたてるなら、いくらでもお話を伺いますし、
お酒もとことん付き合いますよ~(笑)

GチョコショップのMジャーさん、お会い出来なくなるのが残念です・・・
最終日にはお顔を拝見しに伺います。

byココ父
by ココ母 (2010-03-30 13:52) 

ramumama

お母様の退院おめでとうございます。
手術、無事に終わって良かったですね。

ココ父さんココ母さんのお気持ちはすごくよく分かります。
私の場合は動物病院なのですが・・・
未だに安定剤なしで行くことができません。
れなは別の病院に罹ろうかと考えた事もあったのですが、
ラムの時にすごく良くして下さった先生にやっぱり診て頂きたくて同じ病院にお世話になることにしました。
でも、病院に近づくとラムの時のことがフラッシュバックして呼吸が苦しくなっちゃって・・・
いつか安定剤なしで行ける日が来るといいのですが・・・
まだまだ時間が必要なようです。

ココ母さん、今日はおしゃべりのお相手ありがとうございました。
とっても楽しかったです♪
by ramumama (2010-03-31 20:15) 

ココ母

ramumama、母の事でご心配頂き、ありがとうございました。
退院したのは良かったのですが、眼に水が入るのが駄目なので、
洗顔及び介助なしの洗髪ができません。
ココ母がお風呂に入れて、洗髪もしてくれているので、
母も喜んでいるし、私も助かり、優しい奥さんで良かったとしみじみ思います。
私が父の病院の事を書いたので、ラムちゃんとの辛い別れを思い出させたとしたら、大変心苦しく思い、申し訳ありません。
自分自身を振返っても、いまだに、9年経つのに、ふっ切れていない現状です。
いつか、えぐれた傷がかさぶたになり、つるつるになるまで、時間がかかると思います。
ramumama、一緒にゆっくり時間をかけていきましょうね。
byココ父

ramumama、いただいたお電話でたっぷりの長話をしてしまい、ごめんなさい。
私もすっごく楽しかったです♪
お蔭様で元気を貰えました!
またおしゃべりのお付き合いして下さいね♪
by ココ母 (2010-03-31 22:29) 

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